動物が好きで好きで大好きで、それを知っている両親はよく小さなヱイトを連れて動物がいるところに連れて行ってくれた(らしい)。そんな大袈裟な場所ではなくどこにでもある「こども動物園」のような、ヒツジとかヤギとかウサギとかイヌとかモルモットとかポニーとか比較的大人しくて優しくて人に慣れている動物たちがいるような場所が多かった(らしい)。しかし、ヱイトは動物を目にするとそこに根が生えたようにじっと動かなくなってしまい、そこから引き離そうものなら檻にしがみついて下唇を出し目に涙をいっぱい貯めて上目遣いするような子供だった(らしい)。埒が明かないので無理矢理引き摺るようにして次の場所に移動してもそこに動物がいるとまた動かなくなってしまうということの繰り返しで、両親はほとほと疲れ果てた(らしい)。最後は親もとうとう腹を立て、好きだから連れて来たけどもう二度と連れて来ない!と決心させるぐらい相当手こずった(らしい)。そう決心はしたものの、動物が大好きなヱイトが余りにも動物の話ばかりするので、しばらくすると仕方なくまた連れ出す→腹を立てることを繰り返していた(らしい)。…そんな大迷惑な子供なんかイラナイ…状態である。
そんなはた迷惑な子供時代を経てもなお、ヱイトは動物園が大好きでよく通った。時にはデートコースのようなものだったこともあるが、基本的にそれは動物が見たい、動物に会いたいという気持ち以外の何物ではなかった。つまり、デートなど二の次である。「あっゾウさんだ!」「あっキリンさんだ!」「あっクマーっ!」などと独り言を言いながら世界に入ってしまってどんどん行ってしまうヱイトにさぞかし振り回されっぱなしだったことだろう。もはや確認できない状況下なのは不幸中の幸いである。
しかし社会人になってからは状況が一変、動物園に行く時間などどこにあるんじゃーっ!状態と成り果て、最後に上野動物園に行ったのはいつだったか思い出せないほどになってしまったのだった。時間の経過は時に空恐ろしい。何だこの「空白」は。(空白…もしや1Q84に毒されたか…?w)
と、そんな前置きはどうでもいいのだ。
上野動物園に行って来たのだ。
当日集合するまで誰が集まるのかさっぱりわからないという奇妙な遠足。集合時間などないも同然で、入園はバラバラ。自分のタイミングで入園して好きな動物を見て歩き、好きな時に休み、好きな時に写真を撮る。何というまとまりのない遠足だ!と思いながら、誰よりも早く一番乗りで(と言っても正午ぐらい)到着したヱイト、友達が到着するまで一人で園内をうろついた。一人動物園など生まれて初めての経験。暑さはお肌に堪えたが、意外に楽しいかも…と最初は思った。しかしどうしようもなくもきゅーんとする動物の仕草を見るにつけ、それに対して独り言を言う勇気がどうしてもわかず…やっぱり時々一人じゃ寂しい…と思ってしまった。
しかし、次の瞬間そんなことは忘れた。
ゾウさんパオーン!
小さな動物も大好きだが、大きな動物にロマンを感じてしまうヱイトは一気に大興奮の階段を駆け上ったのだった。
ゾウさんはぜんぶで三頭いて、ヱイトが見た時一頭は砂浴びをし、一頭は水浴びをし、一頭はパオパオ言いながらぐるぐる歩き回っていた。その日は梅雨時にもかかわらず、オマケに雨男雨女ばかりだったにもかかわらずとてもいいお天気だった(というよりひたすら暑かった)ので、砂浴びゾウさんと水浴びゾウさんは何やらとても楽しげに見えた。水浴びゾウさんが水からザバーッと上がったら、今度は三頭共にぐるぐる歩き出してますますパオパオ声が騒がしくなった。何を言っているのかはわからなかったけれど、大騒ぎしたいんだな、と感じたから不思議。
パオパオしている時に、偶然撮れたのが、コレ。
何というゾウらしいゾウ!パオーン!(ヱイトのゾウのイメージは子供っぽいということが判明したw)
ゾウさんのご近所では、カピパラさんがうつらうつら白川夜船。
今回の動物園遠足のお気に入りの中の2枚。
それにしてもカピパラさん、アナタネズミなのに何でそんなに大きいの。何でそんなにかわいくないのにカワイイの。とてもヘン。
ヘンといえばペンギンさんたちもヘンだった。いっそのことヘンギンさんになった方がいい、かもしれない。
ヘンギンさんは、実は目がコワイ。クールと言えば聞こえはいいが、極寒だ。実に冷ややかな目をしている。大自然の厳しい環境下で過ごしていればそういう目になってもおかしくないかもしれない、と想像してみるが、何だかそれだけではないような気がする。しかし根拠もなく毎回思うのだ。ヘンギンさんはスゴイと。その証拠にヘンギンさんの前にはたくさんの人だかりができている。惰眠を貪っているとしか思えないカピパラさんや暑くてダラダラだらけきっているニホンザルさんとは別格なのである。
別格と言えば、シロクマさん。もうそこにいるだけで別世界の人たちである(クマだけど)。何しろ存在感が明らかに違う。のしっと四肢で大地を踏みしめるだけでひれ伏さなければならないような印象を与える。人間をそんなに威圧してどうする。まぁ恐らく本人たちはそんなつもりなどないのだろうが。
シロクマさんは都合2回会いに行ったのだが、その度に様子が違っていて見ていて飽きなかった。1回目に行った時は一頭はまるで湯船に浸かるようにプールに漂っており、一頭はその上の大地(というかコンクリだけど)をのしのしと“内股で”歩いていた。シロクマさんのところには野外クーラーのようなものが設置してあり、気温も幾ばくか低いように感じられてちょっとしたプチ天国だった。それでもシロクマさんにとってはかなり暑いのだろうが。
2回目に訪ねた時は二頭ともプールに浸っており、何故か左右に分かれて優雅に泳いでいた。何故左右に分かれているのだろうと思ったその時、上からボトボトッと…リンゴが落下してきて、途端に二頭はそのリンゴを追いかけてザブーン!と豪快に潜水。思いの外プールは深いらしく、しばらく上がってこなくて…何故か感動。泳いでるよ!潜ってるよ!リンゴ食べてるよ!北極にリンゴはないよ!とか言いながら笑顔で見学。
それはつまり、リンゴを待っていた、ということですね?シロクマさん。
その後途中で合流した友達たちと共に、トリさんを見たりゴリラさんを見たりトラさんを見たり。
ヱイトはトラさんが好きだ。何が好きってあの前脚が好きだ。大きな頭も大好きだ。威風堂々と排泄する姿もステキだ(・∀・)!!
ヱイトはカメレオンさんが好きだ。目を見張る程の美しいグリーン!どこを見ているのかわからない目!そしてどこをどうやってそうなってしまったのか、そのよくわからない指が大好きだ(・∀・)!!
そして哀愁漂うゴリラさんもたまらなかったりするのだった。
春先に生まれた子供たちと一緒にいる動物もたくさんいて、妙に和んだ。どうして動物の赤ちゃんは悶える程に可愛らしいのか。ほとんど反則である。
しかし残念なことに赤ちゃんの写真で上手く録れたモノはなかった…悲しい。誠に遺憾である。カメラに慣れていないことも大いにあるが、そこに伴う技術に乏しいことも胸を張って認める。それに加えて動物たちはじっとしていないのだ!例えばカピパラさんやハシビロさんぐらいじっとしてくれていると非常に撮りやすいのだが、じっとなどしていないのだ!特にベイビーたちの忙しなさったらヒドイ。お願いだからじっとしていてくれ!なんて願いは全く聞き入れられない。人間の子供と一緒である。叩いても無駄なんだろう、タブン。
次回は何が何でも可愛らしい子たちをファインダーに納めたいものだ。
草食系の大きな動物たちの睫毛は長い。あの優雅さはとても敵がいる人たちとは思えぬ。気品さえ漂うから動物ってコワイ。
最後のはゾウガメさんだけど…気品あるよ、間違いなく。太くて硬そうな四肢でしっかりどっしり大地に立ち、のしのし歩く姿は美しいという以外ない。ただ歩いているだけで感動するなんてものがいる、それが動物界。素晴らしい。
キリンさんは裏のガラス張りの部屋ででお食事中だったこともあって、光を上手く取り込むことができずにボケボケになってしまったが…やはり大きい動物を見ると俄にドキドキするから不思議。カバさんの大きさったらハンパじゃないし、草をわしわし食べているだけでそこに草の匂いが充満し、その草の匂いを胸一杯に吸い込むとアフリカの大地が脳内にドワーッと広がり…何てことはないが、何やら感慨深いモノを感じてしまうことは確かである。そして何故か幸せな気持ちになるのだ。
動物たちが生きて元気に食事をはんでいる。それを見ているだけで不思議と胸が一杯になる。
ミーアキャットさんはそこに敵はいないのに、一生懸命見張りを続けていた。
ミーアキャットさんからすれば、ガラス越しに覗いている人間たちこそ敵なのかもしれないが、彼らの目に果たして人間たちの姿が映っていたか、疑わしい。とても遠い目をして二本足で立ち、必死になって見張りをするミーアキャットさん。動物の素晴らしいところは、動物園というある意味自堕落生活が確保された場所においても生きることを怠らないことだ。遺伝子に組み込まれた生きるためにすること・しなければならないことは全て怠らず、日々の生活において自分に課している。それが例えどんなに意味のないことでも、だ。人間の目から見れば実に下らないことかもしれないが、彼らにとってそれらを繰り返すことは死活問題に関わる。安全を保証されていても関係ない。安全など食えないからだ。動物は生きるために食べる、食べるために命を尊ぶ、命を尊ぶからこそ食べなければならない、食べるためには命をかけなければいけないのだ。
それは動物だけではない。人間も恐らくそうなのだろう。時には命をかけなければならないのだろう。…反省。
久しぶりの上野動物園。何だかしみじみと動物に教えられた気がする。人間の勝手な妄想には違いないが、それだけ日々反省する点も多いと言うことだろう、心当たりがありすぎるということだろう。
そして教えられたと同時に癒された気もする。何だか心がほっこり和んだ。そしてじーんと温まった。外気は暑かったし日焼けもしてしまったが、そんなものがちっぽけだと思える程の大きな何かをもらってきた気がする。
動物園ステキ。大好き動物園。通っちゃうぞ動物園。楽しかったぞ動物園。超面白かったぞ動物園!
その後、自堕落な人間たちは場所を移しココで舌鼓を打ったのだった。
超美味しかった、ドジョウさん。
ところで。
肝心のハシビロさんは?だろうそうだろう。
ハシビロさんはハシビロさんだけで語りたいなぁ…と思ってしまった、それだけだ。
ハシビロさんはハシビロさんで語らなければ気が済まない気がしたのだ。ハシビロ愛をたっぷりと語りたい、と厄介なことを思ってしまった自分が我ながら面倒臭い。
後日改めてハシビロさん特集!ということで。
【オマケ】タンチョウヅルさん
どうして鳥さんって正面から見ると超マヌケ顔なのか。
フクロウさんはキュートなのに。不思議。
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